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サフランの花

サフラン百科

サフラン Saffron

【学 名】
Crocus sativus
【科 名】
アヤメ科・クロッカス属
【和 名】
バンコウカ(蕃紅花)
【種 別】
耐寒性多年草球根
【原産地】
南ヨーロッパ、アジア
【花言葉】
陽気な騒ぎ ・節度のある美・私を信じてください・
歓喜・楽しみ・過度は危険
【誕生花】
1月31日

 

花

サフランは世界で最も高価なスパイス

秋に球根から茎がまっすぐ伸びて、葉が出てくるのと前後して、青紫色の花が咲きます。
めしべの先にある柱頭は、香りが良く、色鮮やかで、それを乾燥したものが料理に使われます。サフランが世界で一番高価なスパイスで、最近まで重さにして金と同じように価値があるとされていました。それというのも、それぞれの花から柱頭だけを採りだしますから、1グラムのサフランを採るのに160もの花が必要とされるからです。
サフランの黄色色素はクロシンで、芳香成分は主にサフラナールです。
※クロシンは、きんとんに色づけするクチナシの実と同じ色素成分です。

 

花

サフランはクレオパトラの美しさの秘密!?

紀元前16世紀、古代エジプトで書かれた世界最古の薬物書パピルス・エーベルスにその記録があり、クレタ島の壁画にも見られます。クレオパトラの使用していた化粧品の中にもサフランが入っていました。
「ソロモンの雅歌」(第4章14節)に、尊い香料のひとつとしてカルコム(Karcom)という名で記されているように 古代ギリシア、ローマ人は香水、薬、染料、食物の着色料として使用していました。古代ローマでは、サフランで色付けしたバターが好まれたといいます。
ペルシアからインドへ、カレーに用いる香辛料のひとつとして運ばれ、唐代には中国へも伝わりました。
日本には、江戸時代に伝わり、現在の神奈川県大磯町で栽培が始められたといいます。
イギリスへは、中東からの移住者が巡礼の杖をくりぬき、中にサフランの球根を隠して持ち込んだといいます。その球根からエセックス地方では、エドワード3世の治世から18世紀頃までサフランが栽培されつづけました。現在でもサフラン・ウォールデン(Saffron Walden)という地名に残っていて、町の紋章にもサフランが描かれています。
ネロ大帝は、サフランの花をローマの通りに敷きつめて行進したといいます。栄誉、高貴さの象徴として、王室の衣裳も、サフランで染めた黄金色に仕立てられました。

 

花

サフランティーは婦人病に効く!?

カルペパーはサフランを“太陽のハーブ”として「気分をリフレッシュさせ、めまい、動悸を防ぐ」と書きしるしています。ベーコン卿もその薬効を高く評価し、バラ、サフラン、リンゴから作ったシロップは催眠作用があるといっています。
「英国人を陽気にするには、スープや砂糖菓子にサフランを惜しみなく使うことだ」という有名な言葉を残しています。(History of Life and Death)
中世の頃には髪の毛を染めるためにも使われました。
現代でもカップに柱頭を数本入れて熱湯を注いだサフランティーが、婦人病に効くとしてよく飲まれています。インドや中国漢方では憂うつ症の人に使われます。