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サフランの花

世界各国に伝わる花(サフラン)物語り

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昔、ある国で。
美しく、そして賢い娘が王に嫁ぎ、印として、豪華な首飾りをいただきました。
ところが、心のやさしいその娘は、乞食に恵んでしまったのです。それを怒った王は娘の手首を切り落とし、城を追いだしてしまいました。
その後、他国の大商人の妻となりましたが、また・・・お客さまをもてなす立派なごちそうを、乞食に全部与えてしまったのでした。
妻は大商人につめよられ、なぜ与えたかを話しました。

この国へ嫁ぐ道すがら預言者が現れて、切られた手首をもとに戻し、ひとこと「与えよ」と告げ、頭上には一面のサフランの花を咲かせて祝したという・・・。
話を聞いて、商人も乞食も共に驚きました。 だって、妻が首飾りを与えた乞食が大商人で、今、ごちそうをいただいた乞食は、昔の夫、王様のなれの果ての姿だったのです。

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医術に長けて、だれにも慕われていた美青年クロッカス。
リーズという名のかわいい少女と恋人同志でもありました。
ところがリーズの母である大富豪の未亡人がクロッカスを愛してしまったのです。報われぬ恋をもてあました夫人は、とうとうクロッカスに矢を放ち、残酷にも殺してしまいました。

サフランイラスト

この悲しいできごとを救いきれなかった女神ヴィーナスが、若い恋人たちの愛を記念し、クロッカスの魂をサフランの花に、リーズの魂を朝顔に宿らせたという??ギリシア・デラシャ島に伝わる、はかない恋物語です。

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秋の夕暮れどき、花の女神フローラが湖水のほとりの牧場で休んで、ひとり想いにふけっていました。
とつぜん足の下あたりから牧草の精があらわれ、女神の前にひざまずいて、「女神さま、秋の草花に名残を惜しみにくる小羊のために、昼寝の夢をむすぶしとねを与えてやってくださいませ」とお願いするのでした。
女神が、小羊のために哀願する精の願いをききいれて、秋の最後の花として咲かせたのがサフランでした。

サフランイラスト

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